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しかし、それがいかに大それていて無謀な目標であったか、ものの三十分足らずで思い知らされることになったのだ。
結局私は物置きの中のものはとにかく捨ててしまうことにして、小さいものは普通ゴミとして出せるように、分別していた。
ダンボールの山が大分片付け終わり、花瓶等の瀬戸物が集められたダンボールに取りかかっていた。この瀬戸物を処分するためには、緩衝材として包むのに使われた大量の新聞紙を外して分別しなければいけないため、面倒くさい作業だった
新聞紙を瀬戸物から外していた時、ふと目に留まり気になる記事がある、私はくしゃくしゃの新聞紙を伸ばして、読み始めた。
二十数年前のI県の地方新聞の
『写真撮影中の小学生吹雪に巻き込まれ凍死 』
という見出しの記事であった。
I県内の山間部にすむ小学五年生の山中広海君(仮名)がある一月の放課後に、雪景色を撮影するためにカメラを持って出掛けた。しかし出掛けて一時間もすると、天候が急変して、猛吹雪になった。
両親と祖父は勤めに出ていて家に居たのは、広海君の二歳上の兄だけだった。兄は広海君の身を案じながらも、吹雪が酷くて外に出て探すこともできなかったので父親の職場に連絡をした。
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