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記事に書かれていることで、どうしても違和感が拭えないのは広海君が立ったままの姿で発見されたことだ。
吹雪に遭った時、とにかく風を避けれる場所に避難するのが普通だ。吹雪で完全に視界を失うホワイトアウトの中で力尽きたのなら、立ったままの姿勢にはならない。
またあまりの風雪の強さに歩くことが出来なかったのなら、風を遮る物に隠れて屈むのではないか、墓地には風を遮る物は沢山ある。どう考えても、わざわざ風を受けやすい場所で風を全身に受けるような姿勢でいることは不自然に思えた。
更に似たような話を何処かで聞いたことがあったのだ。
私は先程片付けた本の束のひとつを取りだし、ある本を探した。
「あったこれだ。」
それは私がまだ小学生の頃の愛読書で、何度となく読み返した本だった。
『●●●の大百科、心霊・怪談大百科』
というタイトルの子ども向けの本だ。
まず最後のページを見て、本の発行日を確かめる。広海君の遭難から二年後の発刊だった。次にパラパラとページめくる。
本の後半のあたりに探していた内容があった。
『吹雪に消えた小学生、遺されたカメラに写っていた者とは?』
いかにも子どもの心をくすぐる妖しげなタイトルだ。
話の中味は古新聞の記事と重複する部分が少なからずあった。
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