4.カッコいい独身エリートの部下になった!

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それから、企画開発室のメンバーに紹介してくれた。大きなチームがほかに3つあるので、それぞれのリーダーの席でチーム全員に紹介された。 私を知っていて手で合図する顔見知りの女子社員もいたが、大概は型通りの挨拶をするだけ。企画開発室の女子社員は手で合図してくれた派遣の子が一人いるが、他は全員大学卒の正社員で仕事ができそうな雰囲気のひとばかり。 独身の男性社員も何人かいるようだが、私には全く無関心だった。それというのも、私の服装はいうまでもなくいつものようにとても地味。新しい職場に変わったので、今日は気を使って、まるでリクルートスタイルになっている。まあ、その方が好都合だけど。 挨拶を終えて二人で席に戻る。吉本さんは席にいた。 「今日、仕事が終わったら、横山さんの歓迎会をしたいけど、二人の都合はどう? もちろん、費用は僕が負担するから」 「わざわざ私のために申し訳ありません。私は大丈夫ですけど」 「今日は人と会う約束がありますが」 「吉本君、それは何時から?」 「7時です」 「それなら30分位付き合ってくれないか。今日を逃すともうできないから、場所は会社の近くのビアレストランにするから」 「30分位ならいいですよ」 「それじゃ、5時になったらすぐに3人で行って始めよう」 「それから、横山さん、今日10時から、新規のプロジェクトの事前打合せをするので、3人で一緒に出席してほしい。打合せの議論をメモに取って会議録にまとめてもらいたい」 「そんな仕事、私で大丈夫ですか」 「大丈夫、僕もメモを取るから。そのメモもあとで渡すから、まとめてくれればよい」 「分かりました」 事前打合せは10時から昼頃までかかった。会社の会議にはお茶を出したことはあるけど、メンバーとなって出席するのは初めてで緊張した。ひな壇に岸辺さんを挟んで吉本さんと私が座った。 出席者はほかに10名くらいで、すべて管理職クラスの人だった。会議では岸辺さんが上手くリードしてメンバーにいろんな意見や要望を出させる。これをすべてメモに取っておいてあとでまとめるのが私の最初の仕事だった。
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