5.はじめて一緒に外勤をした!

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今日は朝から晴れている。 岸辺さんと初めての外勤だ。また、ゆっくり二人でお話ができそう。アポは3時とのことで、午後1時に会社を出発して、帰りは直帰とだという。 大学へは約束時間の30分前に到着した。でも、大学のキャンパスはすごく広いので入口から先生の部屋まで結構時間がかかった。次に一人で来られるように、行き方をメモしておいた。 研究室の建物の入口から中に、エレベーターで4階へ、先生の部屋の前で時間を調整して、丁度3時にノックして部屋に入る。 はじめに私を教授に紹介してくれた。名刺交換をする。名刺は岸辺さんのところへ来て生まれて初めて作ってもらった。出来上がった会社名の入った自分の名刺を見てとっても嬉しかった。今日はそれを始めて使った。 打合せは30分くらいで終えるつもりと事前に聞いていた。この程度で切り上げないと忙しい先生に迷惑がかかるとのこと。私がメモを取っているので、岸辺さんは細かいところまで打合せしていた。このごろは私にまかせて自分でメモは取らなくなっている。 予定どおりに打合せは終了した。まだ、4時前なので、学生ラウンジへ行って、一休みすることになった。岸辺さんとゆっくりお話しができる。二人でコーヒーを飲む。 「お疲れさん、メモのまとめを頼みます」 「分かりました。大学教授って普通の人ですね。怖い先生かと思っていました」 「そう、いたって普通。大体、変わった人は教授になれないから、安心して普通に話ができる」 「大学のキャンパスっていいですね」 「活気もあるけど、ゆったりしていて、落ち着く。僕も好きだ。学生時代が懐かしいよ」 「私も大学へ行きたかったです」 「大学へ進学しなかったのは、お父さんが亡くなったから」 「はい。成績も悪くなかったので、母は進学を勧めてくれましたが、苦労をかけたくなかったので、高校を卒業してすぐに就職しました」 「僕は大学1年の時に両親が交通事故に遭って亡くなってしまった。幸い保険金があったので、なんとか卒業できたけど」 「パソコンはいつ勉強したの?」
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