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*マジック No.15*
何度か冷えピタを変え、雄飛の様子を見ながら、家事をこなしてクリニックに行く準備を始めた。
家を出る前にもう一度熱を測った。
ぐったりしている雄飛に体温計を差し込む為に体を触ったけど、熱い。
ピピピと鳴った体温計を恐る恐る抜いて体温を見ると、やっぱり下がっていない。
「雄飛、起きて病院に行くよ」
ふふと笑って
「自分で行くからいいよ」
「何言ってるの。行けるわけないでしょ。
しんどいと思うけど頑張って起きて。ほら!
サッサと起きてくれないとお腹張っちゃう」
ちょっと可哀想だと思ったけど、こうでも言わないと起きてくれそうにない。
「ごめんね」と言いながら雄飛を無理矢理起こして
やっと、玄関まで連れて来た。
寒い寒いと言う雄飛に真冬のダウンを着せて
車の助手席に乗せた。
キーを回してエンジンをかけると
「えっ、みな実が運転していくの?」
と驚いた様子だ。
「私しかいないでしょ!安全運転で行くから安心して!」
「いや、ダメでしょ」
「近くだし大丈夫だから。黙って寝てて!行くよ」
家の車庫から車を走らせた。
相当、体が辛いようで、車に乗ってすぐ目を閉じた雄飛。
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