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ちっちゃな天使 No.2
深夜に来た雄飛はずっと側にいてくれて、定期的にくるお腹の痛みに合わせて腰を押してくれたり、飲み物を飲ませてくれたり。
シンと静まり返った病院にお腹に付けた機械の赤ちゃんたちの心音だけが病室に響いて1人だったらきっと とても心細かったに違いない。
朝になり、まだ少し余裕のある私は雄飛に
「今から用意したら会社間に合うから行っておいで」と渋る雄飛を一旦送り出した。
3時間ほどしてまた雄飛が病室に。
「どうしたの?」
「皆んなに帰れって言われて」
と照れ臭そうに言うので話しを聞くと、
余りにも落ち着きがないので皆んなに
みな実ちゃんに付いててあげてと言われたと。
ふふと笑う私に
「痛くないのか?」
と不思議そうに聞く。
「痛いんだけど思ってたほどじゃなくて
我慢できる。いたた…」
けどやっぱり痛い。
お昼近くになって朝より痛みが強くなって、お昼は飲み物しか口に出来ず、どんどん痛くなるけど内診をした先生から
「まだまだかかるね。前にも言ってるけどリスクの高い出産だから急遽、帝王切開になる可能性も十分あるから頭に置いといてね」
「帝王切開って、怖い言い方だな…」
お腹に赤ちゃんが来てから、雄飛も出産の事を色々と勉強したようだけどこの 帝王切開 という言葉がなんだかピンと来ない言葉らしい。
優しい笑顔を残して先生と入れ替わりに兄がやってきて私よりアタフタしている雄飛を見て笑う兄。
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