1092人が本棚に入れています
本棚に追加
/389ページ
ちっちゃな天使 No.3
「こんな時って何してやったらいい?」
「んー、何もできないだろ?側にいて、励ますとか、腰さすってやるとか?いるだけで安心なんじゃないか?」
と雄飛に聞かれた兄が答えてるけど、兄も出産に立ち会った時は
「この人は本当に医者なのかしら?」
と思ったと佳代ちゃん(義理の姉)が言ってたのを思い出したけど笑う余裕もない。
「みな実、もうすぐ楽しみにしてた赤ちゃんに会えるぞ。頑張れ!
産まれた赤ちゃん達は俺が見るから安心して」
もう、うなづくだけで声も出ない。
夜になって様子を見にきた先生に
「まだまだかかりますか?こんなに苦しんでるのに…」
「んー、そうだね」
一言だけ言って病室を出て行く先生。
「ふーぅ、いたい…」
差し出してくれた雄飛の手を握りながら、安心してか眠気が襲ってくる。
でもずっとお腹が痛くて眠れなくて、
少し食べてと、口に運んでくれたゼリーを食べると吐きそうになる。
最初のコメントを投稿しよう!