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 別れを切り出したのは莉子のほうからだった。  几帳面で神経質な陽太と違って、もっとワイルドで明るい蓮と知り合うと、莉子はたちまち彼に惹かれた。  別れたいと告げると、陽太は頑としてそれを拒み、二人の過去を持ち出してひどい嫌がらせをするようになった。  そのうちに莉子は陽太を殺してしまうしか方法はないと思うようになった。本棚を凶器に使おうと思い付いたのは殺害の数日前だった。  凶器さえ見つかなければ捕まりはしない。そう考えたのは莉子の浅はかさだった。                               終わり
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