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「それで君が良いのなら良いけどね。でも、いいところ見せたい奴の一人くらいいるんじゃないのか?」
その言葉に、智は自分たちの陣取る1塁側ベンチの後ろで応援のスタンバイをしているクラスメイト達に目をやった。
すると、香織たちと談笑をしていた麻美がふとグラウンドの方を向いた。
2人の目が合う。そこから麻美が目を逸らすまで大体2秒くらい。この時間が智にとって随分と長く感じられた。
智は首を横に振る。
「どうかしたか?」
透の言葉にも、智は首を横に振る。
「なんでもない。僕はそういうのは特にないよ」
智のその言葉に、透は苦笑いを浮かべるだけだった。
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