第7章 陽だまりの天使たち

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時間を止めたことで、あの頃と変わらない。 ここはかつて架南が愛した花畑だった。 …躊躇いはもう、ない。 飛びかかる闇人(やみびと)をそのままに要は瞳を閉じる。 瞬間、地面を割り水柱が噴き出した。 壁ができるほど大量に頭上高く噴き出した水が、闇人(やみびと)たちの上へと降り注ぐ。 闇人(やみびと)たちを飲み込み濁流となり暁華へと向かうが、暁華は慌てることなく祥吾を捨てた。 即座に木立の合間に退避する動きからも、流れを読んでいることがわかる。 要はそのまま祥吾の身体も流れに取り込み、己の背後へと誘導した。 水が引いたあとにいくつもの体が地面に横たわり、宙に浮く水球の中には無数の黒い塊が蠢いた。 闇を離すだけでは、再び暁華に操られてしまう。 水球の中に閉じ込め、封じ続けなければ… 暁華は恐らく、それも見越している。 見越した上で、次は。 要は肩を上下させ、乱れた息を繰り返す。 押し寄せる疲労感に地に手をついたまま、動けない。 能力(ちから)を使い過ぎた上に、水球の維持、余力が少ないのだ。 気づけば、すぐ近くまで暁華が歩み寄っていた。 手には、打刀(うちがたな)… 鞘に見覚えがある。 「貴様の首を落とし、肋を折ってくれたあの女に生首を抱かせてやろう…」     
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