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【 戸惑い 】
行く先にあるのは希望か絶望か…
要は戸惑い、葛藤する。
思いのままに接するべきか否か。
「…大丈夫、もうあの頃とは違います」
要は噛みしめるように葵に告げる。
「今は架南と蒼麻じゃない…」
生まれ変わったとしても、もう架南ではない。
もうこの世にはいないことはわかってる。
前とは違う。
「今、俺と葵さんは兄と妹じゃない」
すすり泣いていた葵が急に静かになった。
首筋に触れる葵の頬が熱を帯びるのを感じ、要は葵の肩を掴んで体を離す。
すると耳まで真っ赤になった葵と目が合った。
「…あ、あの」
葵はおどおどと視線を泳がせる。
「ど、どんな経緯でこうなっているのか…そのわからなくて」
さっきまであんなに青ざめていたのに、どんどん紅潮していく。
「とにかく、ごめんなさい!」
泳ぎまくる視線と慌てぶりに要は思わず吹き出す。
架南には見た事はない反応に意表をつかれ、我に返った葵に安心感を覚えたこともあり、気持ちが緩んだ。
「…いや、そう構えずに」
笑いを堪えながら要は葵から少し距離をとる。
「大した事はなかったので」
そんな要をぽかんとした顔で葵は見つめてくる。
「葵さん?」
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