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【 覚悟 】
要の通う高校は勤め先の図書館の近く
正門が見渡せる場所を探しウロウロすること1時間、やっと張り込み場所確保!
(…よし!)
ペットボトルを握りしめ気合いを入れてみるけれど、拭えない背徳感。
(これってストーカーになるのかな…)
高校生をストーカーってどうかしてる。
だけど、ちゃんと話したい。
確かめたい。
「ストーカー規制法、第2条第1項第1号にて現行犯逮捕」
聞いたような声がすぐ近くで聞こえたと思ったら、右手を鷲掴みにされた。
驚いて横を見やると、スーツ姿の男がニコニコして立っている。
髪は軽くオールバック、煙草をくわえ、垂れ下がった目尻…
「要は学校来てないよ」
そう言われてやっと気づく。
「祥吾さん?!」
ボサボサ頭と無精髭はどこに行ったのか、別人のような祥吾がいた。
「こんなところで何してるんですか?」
手を振り払えず葵は顔をしかめる。
「うわぁ、それは俺のセリフ」
祥吾はヘラヘラと笑う。
「君こそ、要の高校の前で張り込んでるじゃないか」
「要くんに用があるんです…」
図星を突かれ、葵は赤面する。
どうかしてるのはわかっているけど…
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