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ブッ、とカウンターで和希がコーヒーを噴き出した。
「汚いわね…」と満琉が顔をしかめた。
葵は狼狽えて頬を染める。
そんなこと、いつ口走ったのかわからない。
実際、いつの間にやら寝起きを共にし、同棲の話も出ていたりするし、プロポーズ紛いのこともあったり…
「その…、あの」
和希の前だし返答に困る。
「うん、その顔でわかったわ」
満足気に満琉は口元を緩めた。
「要って、完全にロールキャベツ系よね」
「ろーるきゃべつ?なんだソレ」
和希が口元を拭いながら振り返る。
「見た目草食系男子だけど、開いてビックリ中身はギッシリ肉、実は肉食系。見た目とは裏腹にやることはやるし、手が早いのよ。…その辺ちゃんと拭いてよね」
満琉がカウンターの上のダスターを指差し、和希が「へーい」とダスターを手にした。
「そんなんじゃないんですよっ、要くん、すごく紳士だし」
葵はあたふたと手を振る。
要は手慣れてはいるし、何もされてないわけではないけれど、一定の範疇は守っている。
「アレだな、アレ、ムッツリってヤツ」
「ちょ、ちょっと!違うもんっ」
楽しそうに笑う和希に葵は叫ぶ。
「一緒に寝てるだけだし!しても、その…キ、キスくらいで」
言いながら葵は顔が熱くてクラクラしそうになった。
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