第7章 陽だまりの天使たち

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うつむく葵の顔を満琉は覗きこんだ。 白昼夢とは違う。 そんな聞こえ方ではなく… 「切なそうな要くんの(こえ)が聞こえて…あの、満琉さん?」 葵は満琉の目を見つめる。 「元聖域には、架南がいる(・・・・・)んじゃないんですか?」 満琉が意表をつかれ、固唾を呑む。 「葵ちゃん、何それ…」 「お二人さん、静かに!」 和希が深妙な顔つきで人差し指を口元に立てた。 そして、しゃがめと合図を送ってきた。 満琉が頷き、葵の肩を押す。 二人がカウンターの中にしゃがむと、和希は体勢を低く構え、ドアまで走る。 壁に背をつけ、ドアにある格子状のガラス窓から外を窺った。 向かって左を指差し三本、指を立てる。 「どうやら三人以上の闇人(やみびと)がいるようね」 満琉が声を潜める。 「やみびと?取り憑かれた人ですか?」 「そうよ…それより、さっきの架南がいる(・・・・・)って、どういうこと?」 満琉は知らない… 言葉では説明できない不思議な直感。 以前、要が口にした『すまない』と言う言葉、あの時の聲のトーンに似ていた。 今はいない、架南に向けた言葉。 「…ちょいちょい、お二人さん」 四つん這いに和希がカウンターに入ってきた。 「ここのセキュリティーって結界オンリー??」     
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