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【 策謀 】
弱々しく炎を上げ、一瞬で髪は燃え尽きた。
結界内の圧力が変化し、空間が揺らぐ。
感覚が鋭い受容型であれば、かなりの負担が体を襲うだろう。
結界の効力が強い現聖域では、ここの比ではない。
葵と満琉は大丈夫だろうか…
まず持って和希は何も感じないだろうが。
結界の消失を確認してから要は立ち上がる。
「さぁ、返して貰おうか」
愉しげに口元を歪め眺めている暁華に、要は鋭い眼光を向けた。
どうにか早目に決着をつけたい。
少しでも早く戻らなければ…
「まだだ…まだ足りぬ」
暁華は祥吾からまだ足を避けない。
強行して奪い返せるとしても祥吾のみ、篠宮の身体から暁華は簡単には剥がせない。
京田理夏の前例から考えても、器となっている篠宮の身体にダメージを与えると意識が戻らなくなる可能性がある。
更に…
要は四方に視線を滑らせる。
全方位から闇人が虚ろに歩き、向かってきている。
(…よく揃えたものだ)
ざっと見ても4~50人、動きにバラつきがあるが、標的は一箇所。
多少の打撃では動きは止まらない。
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