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【 反撃 】
切先を突きつけられても昂然と睨み上げる要に、暁華が舌打ちをする。
「貴様をあやつが許し、丸め込めたと思うたか…」
「いや…」
暁華に要は冷ややかに瞳を細める。
「それはない」
「結界の歪みは一時的、その間にあの女を連れ出すように命じてある。今頃、手の内であろう」
「そうであっても想定内のこと」
動じない要に苛立ちを覚えた暁華は、刀の物打ちを要の左頬へと滑らせる。
一筋赤い軌跡が刻まれ、白い肌に血が滴る。
「和希はお前の思うようには動かんぞ」
それでも眉一つ動かさない要に暁華は刀を振り上げた。
切先を右上腕へと突き立てる。
「…っ」
背後に浮く水球が揺らぎ、要は地面についた右手の爪を立て痛みを堪えた。
「あやつはな、心底貴様を恨んでいる。こうなることを望んでいるのだ」
噴き出す血液が腕を伝い、地面へと流れ、要は右手の指先が痺れていることに気づく。
(まだだ…もう少し)
切先を引き抜き、暁華はそこに付いた要の血に指先で触れた。
「…相良の家系は代々、西園寺の傘下にある。27年前、相良本家の一人娘が誘拐され、行方をくらませた」
「何のことだ…」
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