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要が話始めたことに、暁華は眉を潜める。
「訳あって6年前にその娘の捜索を相良から依頼された。見つけ出したのが…葵だ」
葵を見つけたきっかけ、その時から何かが動き出した。
壊れた時計の針が、時を刻み出すかのように…
「和希は、誘拐事件のあと6年後に産まれた相良の息子だよ」
「…相良、和希とあの女が」
「和希はオレを裏切っても葵は裏切らない」
血の繋がりを何より尊ぶ気質だからこそ、蒼麻が陣にしたことを許せないのだ。
「葵にとって最高の護衛だ」
ふっと要は口元に笑みを乗せる。
「…己れ」
怒りに唇を震わせ、暁華は刀を振り切った。
左肩口から要の身体を刃が走る。
「その首、斬り落としてくれる!」
続け様に暁華が刀を振り下ろした。
何者かがその腕に背後から飛びかかる。
隙を突いて要は低い姿勢から暁華の足元を払い、胸元に肩からぶつかった。
地面に背中を打ち付け、暁華が倒れこむ。
「篠宮の身体から出て貰おうか」
暁華の左腕を押さえ込むように膝をつき、要は左手のひらに己の血をつけた。
「巻きで頼むっ、抑えてられん!」
暁華の右手をホールドしながら祥吾が叫ぶ。
要は頷き、暁華の…篠宮の額に左手を当てた。
「天使えの名の下に…」
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