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「お前はそれ、どれくらいで治るの?」
上腕の傷も肩口の傷も致命傷ではないが、出血量が多い。
「5時間程ですね…」
失った血液は戻らないが、傷口は時間と共に勝手に癒える。
そろそろスローネの結界が復活し、闇人から闇が放れ、取り憑かれた人々は意識を失っているはず。
満琉の手配で西園寺から助けが入り、人々は保護されるであろう。
「ここへも西園寺の回収部隊が来ますよ。祥吾さんはそれまでここにいてください」
要はゆっくり上体を起こす。
軽く眩暈がするが、体は動く。
「おいおい、いてくださいってお前」
「オレは先に帰ります」
帰り道は自力での移動は無理だと見越してある。
刀傷は想定外だったが、能力の使い過ぎは考慮していた。
「刀で斬られてるんだぞ!」
慌てた祥吾が体を起こそうとする。
「大丈夫ですよ…死にませんから」
主要な血管さえ修復されれば出血は止まるし、動ければどうとでもなる。
一刻でも早く戻らなければ…
「死なないって、お前…洒落にならんだろ」
立ち上がって見せると祥吾が呆れたように息をついた。
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