第7章 陽だまりの天使たち

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困ったような、拗ねたような、和希の顔。 「…大丈夫かよ?そんなに調子悪いのか?」 両肩を掴まれ、更に顔が近づく。 祥吾に同じことをされたら動揺してしまうし、要にされたら意識してしまうのに、和希だと何とも感じない。 不思議な感覚になった。 「和希くん、和希くんは味方なの?」 和希の顔を見ていると口をついて出た。 「それは、あとで…」 「あとじゃダメ!和希くん、お願い…教えて」 顔を逸らそうとする和希の頬に葵は手を当てる。 驚いたように目を見張った和希は、しばし葵の目を見つめてから息をついた。 「悪かった!マジで、ごめん。乗ったんだよ…あいつの策に」 「あいつって、要くん?」 「暁華の狙いを逆手にとるから、オレはギリギリまで伏兵のフリ」 腑に落ちる部分はたくさんある。 要はわかった上で全て… 「けどな、アレだ…祥吾とか言う人たちの件は予想外つーか、アクシデントだからな」 葵は黙って頷いた。 『報いたいなら、葵を守れ』 『…了解』 あの短い時間での二人のやりとりは、そう言うことがあったからだったのだ。 要の声は、想いは、とっくの前に和希に届いていた。 「あいつのことだから、またそこを逆手にとってどーにかしてるさ」 ぽりぽりと鼻先を掻いて和希は呟く。     
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