第7章 陽だまりの天使たち

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口でどうこう言っていても和希は何かと要を意識している。 葵は思わず小さく笑っていた。 「も、もういいだろっ、行くぞ」 恥ずかしそうに和希に吐き捨てて立ち上がる。 階下では、扉を破られる音がした。 和希が支えるように葵の腕を取る。 「なんだよ、意外にもろいな…」 和希は呟きながら、何かを覚悟したようだった。 立ち上がってみると、立つことはできた。 「3階のあんたの部屋に行くぞ」 下からはぞろぞろ湧き上がるように闇人(やみびと)が上がってくる。 防火扉を閉じるにも間に合いそうにない。 和希に背負って貰い階段を上がっても、自力で階段を上がっても同じことだ。 「一人で行けるよな?」 和希が葵から手を放し、階段途中で立ち止まる。 「さっさと部屋に入ってくれよ」 そして、そのまま階段を降りていった。 「和希くん!」 「部屋の前、着いたら呼んでっ」 階段の踊り場手前で和希は上がってきた闇人(やみびと)を蹴り落とす。 捨て身ではない、時間稼ぎだ。 扉は簡単に突破される、部屋に逃げ込んでも対処はできても解決にはならない。 結界の揺らぎはいつまで続くのか… 結界が戻れば、自分の体は戻るのか。 要はどうしているのだろうか。 祥吾は、篠宮は、満琉は… 不安をあげるとキリがない。 (…うまく足が上がらない)     
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