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「彼女はこれからなんだよ。これから知ることになる、嫌でもね」
「覚醒したの…?」
満琉は瞳を伏せる。
「一度目を覚ましてまた眠ったらしいから、たぶんそうだろうな」
「イヤになっちゃう…もうほんと入る隙すらなくなるじゃない」
ふふふ、と寂しく笑う満琉の顔を眺めて祥吾が首を傾げた。
「入る隙、ちょっとでもあると思ってたのか?」
「何よ、それ。架南が側にいなきゃ、あるかもでしょう?」
満琉がむっと頬を膨らませる。
「第一、世間体的には18と28っておかしいじゃない…」
祥吾がとたんに吹き出して笑い出す。
「いやいや、18と25もないだろ!てか、大して変わらないぞ」
「だけど5年前は二十歳よ!出会ったのは18と20で妥当でしょう?」
「まぁな、要は生粋の18じゃないわけだしな…見た目がそうってだけでさ」
「そうだけど…」
満琉はぶつぶつ言いながら、サンドウィッチを仕上げる。
祥吾はそれをヒョイっと手にとった。
「何にせよ、彼女にとって一番認識したくない事実をお前がつきつけ、結果急激な覚醒に苦しんでいる訳だから、要はそーとー怒ってるんだな」
言い終わるなりパクパクと三口で全部頬張り食べてしまう。
そしてまた手を伸ばすが、その手をピシャリと満琉に叩かれる。
「…だから、持って行って」
サンドウィッチを乗せたお皿を祥吾に差し出す。
「その間に貴方の分を用意しとくから」
「へいへい…」
皿を受け取り祥吾は笑う。
「反省してるって伝えとくよ」
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