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「…要くん、そんな風に笑うの初めて見たなって」
そう言うと葵も小さく笑う。
顔の赤みはひいて、いつもの葵に戻っている。
要は葵の体を支え立ち上がらせると、ベットへと座らせる。
「葵さん、もう少し休んでください」
少し立ち上がっただけでフラついていた。
我には返っても体が受けたダメージがあるのだろう。
頷く葵を寝かせ、布団をかけるとまた少し頬が赤らめた。
「お勤め先には祥吾さんが叔父を語り連絡を入れています。例の件で一部建て替えとなるそうで、数日お休みしても支障ない、とのことでした」
「ありがとうございます…そんなことまですみません」
ベットに腰かけ見下ろすと葵が布団に顔を半分隠す。
「それと、提案なのですが…」
伝えたいことがたくさんあるが、まずは身の安全の確保。
「あと数日、ここに泊まりませんか?」
「え…?こ、ここ?!」
「はい。二、三日ほど」
「でもここって、要くんの部屋じゃ…」
「そうです」
分かりやすく戸惑って葵は考えこむ。
「あ、でも…え?お泊りとか…なんで?でもでも…」
その戸惑いぶりが面白くて要は失笑する。
「大丈夫です。とって食ったりしませんよ」
「とって食っ…」
真っ赤になって葵は言葉を詰まらせる。
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