220人が本棚に入れています
本棚に追加
ハッとする。
知らない誰かと重なった。
知らない少年の声が、聞いたことのないフレーズで。
思わず少年の胸元のシャツを掴み、「あなたは誰?」と聞こうとした時、覗き込むように作業服の男性たちが駆け寄ってきた。
どうやら、ホームの下に滑り込む形で座っていて、少年が助ける為に飛び込んだのだとようやくわかった。
礼を伝える間もなく引き離される。
一人で歩けない状態だった為、手厚く救護され質問を受け、病院へ。
その間、少年を見かけることなく、駅員が目を離した隙に消えてしまったのだと、後から知った。
最初のコメントを投稿しよう!