序章 出会い

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ハッとする。 知らない誰かと重なった。 知らない少年の声が、聞いたことのないフレーズで。 思わず少年の胸元のシャツを掴み、「あなたは誰?」と聞こうとした時、覗き込むように作業服の男性たちが駆け寄ってきた。 どうやら、ホームの下に滑り込む形で座っていて、少年が助ける為に飛び込んだのだとようやくわかった。 礼を伝える間もなく引き離される。 一人で歩けない状態だった為、手厚く救護され質問を受け、病院へ。 その間、少年を見かけることなく、駅員が目を離した隙に消えてしまったのだと、後から知った。
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