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「ふふふっ。遠藤さんって、先輩から可愛がられてるんですね。」
「え、まあ、ありがたいことに・・・。小野寺さん、酔っ払い過ぎだよなぁ。もう。」
遠藤さんは頭を掻きながら、ぶつぶつ言っている。
その時、ナオミちゃんが肘で私をつついてきた。
「ユリちゃん、ユリちゃん、そろそろ帰ろうっかねぇ?」
「あ、そうだね。・・・遠藤さん、すみませんがお先に失礼しますね。今夜はありがとうございました。楽しかったです。」
私はナオミちゃんの思わぬ助け船にのって、慌てて支度をする。
遠藤さんは私を心配していたけれど、避けるように店を出て駅へ急ぐ。
だって遠藤さんに送ってもらったら、氷室さんのお家にいけないもん・・・・
改札に入ったところでナオミちゃんと別れ、いつもの上りホームへ。
電車を待つ間に氷室さんへ電話しよう・・・
駅に迎えに来てくれるって言ってたな・・・・
携帯を取り出した、その時だった。
後ろから肩を叩かれ、振り返ると
「ユリさん。やっぱり送って行きます!」
息を切らした遠藤さんが、立っていた。
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