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参  午後1時、俺は7階の第三会議室で例の商談相手を待っていた。  正直昼休みから謎の緊張が俺を襲っていて、今日の内容でも確認しておこうと1時間前にやってきてしまった訳で。  この会社、大企業だけあって13階から成るこのビル全てが双葉カンパニーのものだ。  その中間に位置する7階は主に会議室と休憩所がある。  田舎で7階といったらそれこそマンションでしか見れないので中々感動していたものだったが、都会に染まってからは7階にいても周りの高層マンションが高すぎてそう感動はやって来ない。  それでもガラスは見晴らしの良い設計になっていて暇を持て余していた俺は珈琲を飲みながら小さくため息をついた。  「なんで請け負ったんだろ俺。」  今更ながらかっこつけた自分を責める。  保坂部長には本当に頭が上がらないな、と自分を自虐的に笑ったときだった。  「雨宮さん、お見えになりました。」  「え、あぁ!あ、ありがとうございます。水卜さん。」  「いえ。頑張りましょうね。」  そう言ってこちら側の近くの椅子に座る彼女。  彼女は水卜 飛香といってエリートの秘書だ。  同じく保坂部長の管轄下で働いていて、さらに小橋課長の専属秘書である。  要するにできる人。  まぁ、本社で勤務している俺も大概周りからはエリート扱いなわけだけれど。  いつの間にか熱を失っていた珈琲を捨てて俺は座り直す。  「今回は小橋課長の代わりに任命おめでとうございます。」  おい、嫌味かよ。  思わず水卜さんの方を見ると彼女は前を向いたまま話し続けた。  「ここで成績上げてください。そしたらあなたの…いえ失礼しました。何でもありません。」  掛けてるメガネをくいっとあげる彼女。  「はぁ…。」  俺は曖昧な返事しか返せなかった。  どうやら先程のは嫌味ではないらしい。  しかし、何が伝えたいのかわからない。  俺の返事にもどかしさを感じたのか彼女が口を開いた瞬間
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