異世界? いかねぇよ。_第2稿

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「さぁさぁ時間はありませんよ勇者様。事態は急を要します!」 何だ? 俺がロクな返事をする前にずんずん話を進めるなぁこのちんちくりん。 「では勇者様、いざ異世界へ行きましょう!」 「いかねぇよ」 ? 現実はルーティンワークだ。 「勇者様! 何故異世界行きを拒むのです!?」 寝て、起きて、朝飯食って学校行って 授業を受けて、昼飯食って、また授業 「現実世界に未練でもあるというのですか? 勇者様とあろうものが!」 家に帰って夕飯食って、風呂に入って寝る。 基本はこれの繰り返し。刺激も無ければ危険もない。 「今異世界は大変なんですよ!? 魔王軍の侵攻で多くの民が――」 「ごちゃごちゃ耳元で叫ぶんじゃねぇよ」 胸糞悪いがどうやらこれは現実の様だ。 現実はルーティンワーク……そのはずなんだがなんだこれは? なんなんだこれは!? 朝起きたら妙な生き物が『そうだ。異世界行こう』と、しつこく勧誘してきやがる。 顔を洗っている時も、朝飯食っている時も、制服に着替えている時もだ。 何モンなんだよこいつ…… 「お前マジいい加減にしろよちんちくりん! いつまでも飽きずにギャーギャーとよぉ」     
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