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「ちんちくりんじゃないです! 私の名前は『ノイエ』です! 勇者様こそ! せっかく選ばれたというのに何故頑なに嫌がるのです?」
ダメだ話がかみ合わねぇ。あー……うぜぇ。いい加減いなくなってくんないかな?
「勇者様の異世界適性は最高ランク、間違いなく異世界へ行けばあなたの居場所が見つかるというのに」
「居場所だ? 俺の居場所くらい俺で見つけるよ、異世界なんか行く必要ねぇ」
現実に自分の居場所があるのかと問われたら、ない訳じゃないがあるとも言えない。どっちつかずな有様が俺のリアルだが。
「でも勇者様、異世界へ行けばモテますよ?」
「……は?」
なんだ唐突に。今度は色仕掛けのつもりか? 誘い文句が下種くなったな。
しかし――
「俺、ハーレムとか苦手だから。1人の女と一生添い遂げたい派」
「おや、意外と純粋ですね」
この野郎、バカにしてんのか?
「でもでも、勇者様『魔法』とか憧れません? 氷結魔法とか、爆裂魔法とか! 勇者様の異世界適性ならきっと高ランク魔法がホイホイ使えますよ。派手なやつどっかーん! って。すがーん! って! 魔物をバッタバッタぶっ飛ばせます! 一騎当千です!」
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