異世界? いかねぇよ。_第2稿

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だって相手のスタメンは全員『2軍』だったのだから。俺たちは相手に舐められた挙句ぼろ負けしたということだ。悔しいを通り越して『屈辱』を味わった。味わされた。 「やりたいこと……分かんないです」 野球なんてもうやりたくない。あんな思いをするのはもう嫌だ。 じゃあ『その代わり』ってなんだ? それに値するものなんてあるのか? それと同じだけの価値を持つものってなんだ? 分からない。分からない。分からない。 「お前なぁ! 自分のことだぞ!? それともどうでもいいってか!?」 「どうでも、良くないです」 「だったらよ――」 説教は終わらない。進路希望調査を出していない俺が悪いのは分かる。すげぇ分かる。だから怒られているのは良いとしても、いくらなんでも職員室のど真ん中でやんじゃねぇよ。 恥ずかし過ぎる。まるで晒し物だ。公開処刑だ。 どうせやるなら生徒指導室とか誰もいない廊下でやれよ。 最悪だ。朝っぱらからツイてねぇ。全く持って運がねぇ。 「大変でしたねー勇者様」 とりあえず『明日必ず持ってきます』と適当に答えて職員室での公開処刑を逃れた。これで明日も忘れたらきっと―― 「お分かりになられたでしょう? やっぱり勇者様は異世界向きなのです。そうと分かればいざ異世界へ――」 「いかねぇよ」 「即答!?」     
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