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木下さんはどんどん細い道を歩いて行き、路地裏にあるバーの前で止まった。
バーのドアを開けるとカランカランと音がする。
ムードのあるライトに、落ち着いた雰囲気のカウンター。
カウンターに4人、テーブル席に8人くらい座れるだけのこじんまりとしたバーだ。
「木下様こんばんは。 今日は可愛い女性をお連れですね」
「前から気になっていた女性なんですけど、やっと誘う事が出来ました」
バーテンダーが木下さんに声をかけると、木下さんが私の顔を見てから笑顔で答える。
恥ずかしくなって下を向いてしまった。
「カウンターに座りましょう、あゆみさん、何を飲まれますか?」
「私、普段あまり飲まないので……何かお勧めはありますか?」
「中井君、彼女に合いそうなものを用意してくれないか?」
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