仕組まれた出会い

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「そうですね、甘い方がよろしいですか?」 「はい、お願いします」 私が頷くとバーテンダーの中井さんはカクテルを作り始めた。 中井さんの綺麗な指がリズムよくシェイカーを振っている。 「シンガポールスリングにしました。 フルーティーで口当たりも良いので飲みやすいと思います」 シンガポールスリング、名前だけは知ってる 。 中井さんが私の前に、パイナップルとレッドチェリーが飾られているバラ色のカクテルを置いた。 カクテルを一口飲み「美味しい」と言うと、木下さんが「良かったです」と微笑んでくれた。 「あゆみさんと一緒にいられて本当に嬉しいです」 木下さんはマティーニを飲みながら、私の顔をじっと見ている。
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