仕組まれた出会い

13/41
前へ
/367ページ
次へ
「私、弱いのに飲み過ぎですよね」 「自宅までタクシーで送りますから心配しなくても大丈夫ですよ。 家族に連絡しておきますか?」 「いえ、私、一人暮らしなので」 「じゃ、もう少し飲んでも大丈夫ですよ」 木下さんはそう言って人差し指で私の唇をなぞっている。 もしかして誘われてる? 木下さんはタクシーで送ってくれるって言ってたからそんなはずないよね。 エロい妄想をしたのを木下さんに知られるのが恥ずかしくなって、目の前にあるカクテルを取り一気に口に流し込んだ。 あれっ、ミモザはもう飲んだはずなのに、カクテルが……頭がぽぉっとして考えられない。 木下さんはそんな私を笑顔で見ていて…… 口に含んだマティーニを私の口に流し込んだ。
/367ページ

最初のコメントを投稿しよう!

913人が本棚に入れています
本棚に追加