疑惑

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「知りません」 「それはおかしいですよね? 調べればすぐにわかる事です。 本当の事を教えて下さい」 刑事さんの言葉は丁寧だけど、鋭い目つきで私を見ている。 「知りません」 木下さんの名前を勝手に言えば、帰ってからどんな目にあうかわからない。 本当の事は言えなかった。 「今からあゆみさんはこのまま警察まで一緒に来てもらいます。 あなたの友達が続けて3人も亡くなっているのですから、疑われるのは当然でしょう?」 「わかりました」 頷くしかない。 「3人って! あんた、まさか人殺し?」 水島さんが恐ろしそうな顔をして私を見ている。 「違います。私は誰も殺してません」 「……」 水島さんは私から離れ、刑事さんの方に寄っていった。
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