奇妙な同行者(チェルル)

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「つまり、頭が良いって事?」 「決断力と遠慮の無さもな」  そう言って、グリフィスが色々と話してくれた。 「マーロウは元々侯爵家の跡取りなんだが、あの通りの性格だ。好きな事は徹底的で狂気を感じるのめり込みよう。嫌いな事は死んでも嫌だって奴だ。こんなんで、父親も手を焼いたんだな。騎士団に入れたいと直接泣きついてきた」 「はぁ……」  なんというか、凄い人だ。 「んで、シウス様とファウスト様が尋ねたんだが、これがまたな。幽霊みたいなのが出てきて肝が冷えたらしい」 「あれ、夜に会いたくないよね」  ハクインの言葉にリオガンも無言で頷く。ちょっと珍しい様子だ。 「武についてはからきし。だが、頭のキレがいい。決断も早い。その能力を買って、特例で入れたんだ」  つまり、頭脳のみで騎士団にいるのか。それも凄い。 「ちなみに騎士団の書庫の蔵書の位置とタイトル、内容、全部覚えてるぞ」 「えぇぇ!!」  これには三人とも、大いに驚いた。 「それで、なんでこの馬もの凄く入念に手入れしてるの?」  もの凄く入念にブラッシングをしている。普通、ここまでやるだろうか? 「マーロウ乗せるからな。獣臭いと酔うんだよ、あいつ」  もう、何も言えなかった。     
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