奇妙な同行者(チェルル)

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 かくして王都を出発し、一路東砦へと向かった。エルの集落がある東の森の手前にある砦だ。  到着するまで、マーロウは馬に揺すられていた。ちなみに一人で馬に乗れない。小柄なチェルルが馬を操る事になり、その前に乗せたのだが……ダメだろこの人。 「馬クサい……振動が酔う……熱い……」  いや、これでも丁寧にしてるはずなんだけれどな?  なんにしても砦についたその日は、この人ダメだった。「寝る」の一言を残して寝室に入って、二日寝倒した。あまりに起きないから死んでるんじゃないかと心配になって様子を見に行ったけれど、ちゃんと息はしてた。  だが、そこからがもの凄く怒濤だったのだ。 「あの、今なんと……」  砦を預かるうだつの上がらない感じのおっさん騎士が、マーロウをもの凄い目で見ている。早く逃げたいとか、この若輩がとか、どうしてこんなに上から目線なんだとか、言いたい事が色々溢れる感じだった。  でも、過去を知っていればそれも頷ける事をマーロウは平然と言ってのけたのだ。 「同じ事何回も聞くの止めて、バカじゃないんだから」 「あの、ですが!」     
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