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感情の起伏のないまま、一切の躊躇いもなくマーロウは瓶の口を男の口に突っ込み、顔を上向かせた。
声も、上がらなかった。悶える暇もなかった。目を見開いたボルギは強く痙攣を起こした後、あっという間に動かなくなった。
「さて、そこの研究員達はこの惨状を踏まえたうえで、正直に答えるように。そうしたら帝国で匿う。君たちも犠牲者だろうから」
怯えた研究者は何度も首を縦に振っている。そうして控えていた第五師団に大人しく連れられていった。
「だれか、この汚物捨てといて。外にあったっていう穴に放り込んでいいから」
「はい」
「はぁ、疲れた。もうダメだ、寝る」
「え? えぇ!!」
燃料切れ。まさにそんな感じでぐたりと倒れたマーロウを、グリフィスが支える。そして一言「寝てやがる」と言って溜息をついた。
「とりあえず尋問はこっちでやるから、リオガンはハクインの側にいてやれ。あれは酷い。体の治療はこっちでできるが、それ以降はお前等が頑張らないとならないからな」
優しい声と、大きな手が撫でて「頑張れ」ともう一度勇気づけてくれる。それに頷いて、リオガンはハクインが治療されているという部屋に案内されていった。
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