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奇妙な同行者(チェルル)
王都帰還後、シウスからの手紙と報告をするとすぐに動いてくれた。主に指示を受けていたらしい宰相府のキアランという人だ。
なんというか……神経質そう? 眼鏡の奥がもの凄く冷たい感じがする。浮かべる表情も皮肉っぽい。
けれどその後に同行すると言われて紹介された人は、もの凄く変な人だった。
「マーロウ・アボット」
「……」
一言のみだ。
なんというか……不健康な感じがする。肌の色が白いというよりは、青白くて頬が痩けて見る。青い目なんだろうけれど、どんよりとして生気が見えない。しかも目の下の隈が病的だ。
体だって貧弱。細いし、筋力あるのかな?
「マーロウ、しっかりしろ」
「仕方ないだろ、暗がり暮らしから明るい所に引きずり出されて頭が痛くなりそうなんだ。光線過敏症なんだよ」
「単なる寝不足だ」
「後で医務室行って栄養点滴打ってもらわないと……」
「経口摂取をしろ!」
キアランという人が、もの凄く気の毒に見えてきた。
それでも、どんよりした目がチェルルとハクイン、リオガンを見ているのはなんだか緊張する。こう、心の中を探られる気分がした。
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