打ち棄てられた村(ハクイン)

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打ち棄てられた村(ハクイン)

 これから三日、マーロウは寝倒した。もの凄く燃費が悪いし、起きてからも一日ぼへーっとしていた。  食事は肉とパンが主食で、野菜がもの凄く少ない。しかも量が少ない……と思ったら、恐ろしいほど糖分は取っている。紅茶に角砂糖を最低三つは入れている。五個入れた時には紅茶飲んでるのか紅茶味の砂糖を食べているのか分からない状態だった。  なのに、添えられた人参ケーキは食べなかった。  そんなこんなで一週間ほどの足止めを食らった後、フェレスの案内でようやく森に入ったのだが……それもまた異様な感じがした。 「えっ、なにそれ?」  ガタイのいいドゥーガルドが背中に何か背負っている。背負の椅子みたいなので、お尻の部分と背中には柔らかい布が巻き付けてあった。 「背負子。足場の悪いところで怪我人を搬送するのに使うんだ」 「いや、それは知ってるんですけど」  同行の第四の隊員が教えてくれたのだが、流石にそれは分かっている。問題はどうしてそんなものが必要なのかだ。ここに怪我人はいないし。  まぁ、予想はつくんだけれど。  当然のようにマーロウが来て、その椅子に座る。そして一言「座り心地悪いな」と呟いた。     
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