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【残酷表現】ハクイン救出作戦(リオガン)
ハクインとフーエルが行ってから、数時間経っている。
ずっと、落ち着かない。黙っていると余計に落ち着かなくて、リオガンは素振りをしている。体を動かして、気持ちを誤魔化しているだけだ。
本当は、一緒に行けば良かったのかもしれない。でも、ハクインやチェルルほど隠れて行動というのが得意じゃない。少し、ぼんやりしたところがあって置いて行かれる事がある。迷惑かけたら、危ないから。
そうしていると、不意にガサッと音がして手を止めて身構えた。こんな夜中に、誰? ハクインがいる農村側は見張りがいる。ここは、そことは場所がずれている。
音がズルッと引きずるみたい。荒い息づかい。ガサッと重い音。
手負い?
思ったら体が動いていた。音の方へと急く気持ちのまま近づいていったら、草陰に全身ずぶ濡れのフーエルが震えながら立っていた。手に、革袋を持って。
「至急、救援、求めるっす」
カチカチ歯を鳴らしながらそれだけを言ったフーエルはそのまま、リオガンの腕に倒れていってしまった。
すぐに毛布にくるまれ、温かな飲み物を飲んだフーエルは何が起こったのかを全部話してくれた。
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