1人が本棚に入れています
本棚に追加
十勝は、飛び跳ねるように起きた。
冷や汗で、体がぐっしょり濡れていた。
「なんてことだ」
まだ心臓がバクバク言っている。
今のは、ただの夢なのだろうか?
しかし妙にリアルで、十勝は、自分の想像力を超えた場所であった気がした。つまり、本物であったと。
それを認めるとすれば、御津の死因は、事故では無かった、ということになる。
持ち出し禁止であるアカシック・レコードの蔵書を、あまりにも完璧に記憶してしまったがために、"処分"されてしまったのだ。
だが。
誰が、そんなことを信じる?
アカシック・レコードの存在は、科学ではなく、オカルトの分野だ。
あの司書も、人間ではないのだろう。
そんな殺人事件を、立証できるわけがない。
最初のコメントを投稿しよう!