白狐物語

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僕は寒い日本海の風に当てられ、そろそろあの世へといきかけていた。 深い眠りで気持ちがよかった。 そんな時、地震でもきたかのように身体を激しくゆらし「もふもふだー可愛い」の耳がキャンキャンするような声に目を覚ます。 仕方なく目を覚ますと、案の定人間の小娘であった。 小娘は、私が見えるのか。ああ、きっと力が弱くなって見えてしまったのだろう。まあ、もうどうでもよい。 意識ももうろうとする中、旅立つ準備を心に決めていた。 最後に人間に見つかったところで、僕は、悔いなどない。 だけれど、その小娘は、僕を抱きかかえさらに「もふもふだーまっ白!」とか良いながら、撫でまわす。抱きしめる。 人の肌の暖かみが生気を取り戻してくれたのだろう。 はっと目が覚めてしまった。
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