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その県一番の繁華街で、某支店長補佐のタカが呑んでいる。 タカの口癖は、「俺って誰とでもすぐ友達になっちゃうんだよねー」だ。 二次会はクラブに行く。 タカの気に入っている店だ。 今日支店に来た偉いさんへの社内接待のように見えて、払いはいつも偉いさん持ちだ。もう一人同席していた後輩のヤスが、今ちょうどエレベーターで酷く無様に転び、店の女の子たちにボックスまで連れてきてもらっていた。 ヤスは呂律がおかしくなり態度が変態じみてきたくせに、勝手にボトルをおろした。一瞬、偉いさんは「はあ?」と顔をしかめた。 タカはまずいと思ったのか、ヤスを少し強めに諫める。泥酔したヤスのワイシャツは、腹の肉ではち切れそうだった。 結局、ボトルが来た。そういうものなのだ。酒よりウーロン茶が値が張り、氷で財布が薄くなり、キャストの女の子は二人ほど飲み過ぎている。 タカはしきりと、自分の「友達」の話ばかりした。 ヤスは何を言っているのかもう判断できない。 目で人を殺せそうなお偉いさんは二時間で五万払った。ほとんどタカとヤスが呑んでいる。 三人連れ立って、タクシーを拾おうとしたが、タイミングが悪いのか空車がなかなか見つからない。 部長、ちょっと待ちます? え、待ちます?多分すぐ来ますよ~。 あ、そんじゃ少し歩いて酔い覚ましましょうか。 あ、そうだ俺、あそこの店の子も友達で。 ほんと、すーぐ知り合い増えて付き合いで金かかるんすよね。 明日もバーベキュー行くし。 「ボエボエヘラヘラゲロゲロゲロゲロ」 一次会で食べた高級料理を芸術的に噴射するヤスを、偉いさんとタカは半ば無視している。一応、吐き終るまではその場から少し離れて待っていてやった。 三人で歩き、繁華街をだいぶ離れた。 ああ、あのタク、空車ですよ、とタカが言った。 その時、上の方から声がした。 ねえねえ~! 若い女の声だ。 三人は思わず上を見上げた。マンションの四階に女がいた。 次の瞬間、タカの顔面に電子レンジが直撃した。ヤスは一言も声を出さず突っ立っていた。そのヤスの頭にテレビが降ってきた。 ヤスはその時、放屁・放尿・脱糞していた。 そして、アスファルトの上に若い女が落ちてきた。  
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