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雪のように白く輝いていた
目を開いたら 世界が
朝の 陽射しの中
寿彦さんが 目の前にいて
「あ、起きた」
窓からくる光が そのまま寿彦さんを
消し去ってしまいそうで
怖くなって しがみついた
「何……怖い夢でも見たの?」
『怖い…?…うん…大丈夫だよ……大丈夫…』
あの時からずっと変わらない 寿彦さんは
ずっと 優しい
けど もう
「僕はもう、可哀想な子じゃないから…」
心配 しないで
「ただ寿彦さんに…甘えたいだけ」
降ってくるその人を 受け止める
「ん…」
降るキスに 埋もれたいだけ
「これ以上、甘やかしたら…」
しんしんと なんてもんじゃない
その人は俺を 雪崩のように一瞬に
覆い尽くす
「あ…あっ…ん……」
「溶けて、なくなっちゃうよ…」
溶け込んで 二人が
全く同じものになる
「…んっん…そう…して……下さい…」
最初から そうだったみたいに
二人 同じものになる
雪のように
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