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「ごめん…やっぱ無理だった」 夏川君がいる前で、朝から俺に近づいてくる取手に……やっぱり夏川君は、不機嫌。 『クラスで決めた事をそうやって勝手に投げ出すもんじゃない』 あっちゃんに、言われたんだと。 新米丸出しの癖して、言う事だけは、一丁前だ。 「だと思った」 「あ?だったら最初から俺に頼むなよ!」 あっちゃんに怒られて、取手も今日は不機嫌。 「あっちゃん困らすなよ~お前の友達の俺まで心証悪くなんだろ~」 「けどそうなったらいいなぁって、ちょっとは思ったろ?お前も」 「それは…まぁ」 取手のこのバカが付くくらい正直な所が、俺は好きだ。…...なんて言ったら、夏川君に悪いな。 と思ったら案の定。 「…クラス帰る」 あぁまた仲良さげに見えたんだろうか。夏川君がそろそろと座っていた俺の前の席から立ち上がった。 「夏川君っ」 「へ…」 俺が急に右手首を掴んだから、夏川君は変な声を出した。 「また…帰りも来てね」 来ない事なんて、なかったけど。来なかったら、寂しいから。 「く…来るか、バーカ」 いつものように、俺の手を振り払った。     
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