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いつも不機嫌な夏川君も可愛いけど、ご機嫌で俺に笑いかけてくれる夏川君って……どんなんだろな。ちょっと...見てみたくなった。 「皇ねぇ、昨日は取手が手伝ってくれたから良かったものの、……そんなんじゃ、困るよ?」 新米丸出しは、あろう事か夏川君に会う前の俺を捕まえ拘束してきやがった。 ふざけんな…...俺は今マックスに、不機嫌だ。 「宣伝用のポスターだってねぇ、刷らなきゃ、配らなきゃ、人来てくれないんだから」 コピー機の前に立つあっちゃんを、後ろから見てる。 「あとうちは喫茶店でしょー?食材の手配とかしないと」 そんなん一人でやれや。二人もいらないだろとーー段々、腹が立って、抑えきれなくなった。 「クラスで分担できないんですかねぇ」 「あぁ...今、こんなご時世だろ?みんな大学受験で忙しかったり、生徒を拘束できないんだ」 今俺、拘束されてますけど? 「けどそんな事で、生徒の大事な思い出作り......なくなったら、可哀想だろ」 今俺、猛烈に可哀想ですけど。 残りわずかな学生生活、夏川君といれる時間を、がっつり割かれてますけど今これで。 「その他の事はみんなにも手伝ってもらうから...ね?もう少し協力、してよ」 何で俺が協力しなきゃいけないんだ、今。夏川君との大事な時間のはずなのに、今。 ちょっと......意地悪したくなった。     
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