彼岸花

1/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ

彼岸花

彼岸花の別名は 「曼珠沙華」 「死人花」 「捨て子花」 「石蒜」 「天蓋花」 「天涯花」 「幽霊花」 「かみそりばな」 有毒植物ながらも、外用薬にもなる。 秋の彼岸に咲き乱れることから、花の名前が名付けられた。 花が美しく咲く秘訣は…。 その土手には、彼岸花がとても美しく咲き誇っていた。 見る者の眼を惹き付けて放さない、美しい彼岸花。 そこの土手には、1人の少女がいる。 見た目15・16ぐらいの少女は、彼岸花の群れの中に立っていた。 愛おしそうに彼岸花を見つめる姿は、1人の男子高校生の目を惹いた。 その視線に気付き、少女は少年に微笑みかける。 ―その次の日も、少年は少女に会いに、土手へ訪れた。 その次の日も、また次の日も、休みの日も…。 やがて少年は、学校もサボるようになった。 彼岸花が咲く中、少女と一緒にいることがとても大事で、嬉しく思えたからだ。 だがやがて、彼岸花がしおれてきた頃、少女の顔色が悪くなっていることに気付く。 体の具合も悪そうだ。 少年は少女に訪ねた。 どうしたの?―と。 しかし少女は首を横に振り、儚く笑うだけ。 そして次の日、少女は少年に別れを言い出した。 けれどまた、ここへ戻って来ると少女は言った。     
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!