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俺の方が着くのが早かったのか、まだ部屋は明かりが付いていない。
そのことに何故かしまった──そう思う。
今日は行けないかもと言いつつ先に待ってるってなんだか格好がつかない気がして──
そんな下らない意地を持ちつつ部屋の明かりを付けて回った。
「もう完全に俺の家だな……」
我が物顔で鍵を開けてソファでくつろぐ姿はどうみてもこの家の主人だ。
自分の所業に笑って居ると玄関を開ける音が聞こえた。
「あれ? 来てたんだ? 打ち上げは?」
「……──」
「どうしたの?」
「───」
「夏希ちゃん?」
目を見開いて無言のままの俺に近付き晶さんは顔を覗き込んだ。
「……っ…なにそれ…」
「……なにって?」
「それなにっ?……」
晶さんは追及する俺に首を傾げた。
「なに言ってんの夏希ちゃん?」
「──…っ…なに言ってんのじゃないからっ! てか、なにそのっ…」
可愛さはっ?──
ふわふわとしたカールの髪形がまるで天使みたいだ。
思いっきり萌えちゃうじゃんっ!? なんだよそれっ──
すげー可愛いっ
そう認めた俺の顔が強く熱をもった。
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