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そう答えたあたしにマモルさんは爽やかなスマイルを向けて仕事に戻った。
店内、指名率ナンバーワン。
他所の大手美容室からも引き抜きが掛かっているのは聞いたことがある。
度々、ファション誌にも載るお陰で人気も絶えないらしい。
女性客がメインなだけに、男の美容師さんってホスト並に物腰柔らかいし──
マモルさんの仕事姿は遠目に見てもカッコイイのは確かだ。
寝癖ぽく崩した栗色の無造作なヘアスタイルは甘いマスクのマモルさんにはお似合いだと思う──
いい男だってのは夏希ちゃんには内緒にしてあるけどね……
「しかし……お腹空くな…」
小さく呟いた。
店を早めに上がったお陰で夕方の賄い食を今日は食べていない。
目の前に出されたコーヒーを飲めば飲むほど胃が食べ物を放り込めと要求してくる。
「お待たせ。軽くシャンプーするから、いい?」
そう言われてシャンプーブースに案内された。
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