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「俺はアーサー。よろしくな」
アーサーがレオンの前に手を伸ばして握手を求めるたが、レオンはそっぽを向いて無視した。
「おい、レオン。皇太子がわざわざ手を伸ばしているのにその態度はなんだ」
セシルが珍しく声を荒げたのを見てクリスタは「まあまあ」とセシルをなだめるように言ったが、アーサーはあまりいい気がしなかったのか
「なんだよ。せっかく仲良くやろうぜって言ってんのに。まあそんな礼儀の一つもわからないようなやつだから、どうせシルバルフでも仲間外れにされてマクレハンに帰ってくるしかなかったんだろ」
と挑発して言った。するとレオンは眉を顰めながらアーサーを睨んだ。
「へっ。こんな壁に囲まれた場所でおままごとみたいな生活してる癖に威勢だけはいいんだな」
「おいレオ・・・」
「いいよセシル!」
セシルがレオンを怒鳴り付けようとしたその途中、その声をかき消すようにアーサーが声を出した。
「これは俺の喧嘩だ。シルバルフでチャンバラごっこしてきたお前の剣、見せてみろよ」
アーサーはそう言って手に持った木刀の先をレオンに突き出した。
「あとで泣いても知らねえぞ、皇太子さまよ」
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