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アーサーは目を輝かすようにセシルをみてそう叫んだ。
「フフッ。アーサー様もこれくらいはすぐにできるようになりますよ」
「マジ?!俺頑張る!セシルみたいになれるように頑張る!」
「あら、また剣技の特訓?」
後ろから声をかけてきたのはクリスタ・マルティネスだ。
「クリスタ王妃!」
セシルはすぐにクリスタに向きなおして右の拳を胸の前に置いた。
「やめてよセシル。昔みたいにクリスタって呼んでくれればいいのに」
「そうはいきません。クリスタ様はこの国の王妃なのですから」
セシルはそう言って握った拳にさらにグッと力を込めた。
「なあ母さん!セシルってすげーんだぜ!ここから一振りであのりんご全部落としちゃうんだぜ」
アーサーが興奮気味に言った。
「当たり前でしょアーサー。セシルは大陸一の剣士なのよ。さっ、夕食の時間よ」
クリスタはそう言いながら少ししゃがみ、アーサーの頭をポンと撫でた。
「えっもうそんな時間?これからセシルに斬撃のやり方習う予定だったのに」
アーサーが落ち込んだ様子でセシルの方を向いた。
「フフッ。剣技の特訓はまた明日にしましょう」
「セシル、あなたも久しぶりに一緒にどうかしら?」
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