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クリスタがセシルを夕食に誘うと、アーサーも同調して「そうだよ。セシルも一緒に食おうぜ」と言った。
「いえ、私はこれから特訓がありますので」
「えーセシルまだ強くなりたいのかよ」
アーサーが言った。
「私にはアーサー様をお守りするという役目がございますので」
「えーそれじゃあ俺も付き合う!こんなんじゃいつまでたってもセシルに追いつけねえぜ」
「いいえ。アーサーあなたは夕食よ。それに政治の課題もまだすんでいないとサクレパス先生が言ってたわよ」
クリスタは少し強い口調でアーサーにそう言った。サクレパス・アビーは、アーサーの座学専門の家庭教師として宮殿に務める老婆だ。マクレハン王国魔道協会の会長でもあり、幼き頃からその才を発揮して多くの論文を学会に発表してきた魔道界の権威である。
「ゲッ。あのババアチクったな」
「こら。先生に向かってばばあはないでしょ!」
「へいへーい。先行ってるね?」
アーサーはそう言うと逃げるように駆け足で城中に入っていった。そんなアーサーを見てセシルはふふっと笑った。
「昔の国王陛下にそっくりですね。アーサー様は」
「そうね。やんちゃなところまでそっくりで困っちゃうわ」
クリスタは少し困った顔をしつつも、その目はにこやかに笑っていた。
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