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「あれ、今日父さん帰ってくるんじゃなかったの?」
セシルがカーゴの肉を頬張りながらいった。カーゴは、マクレハン王国の隣国にあたるフォルスタント王国で養殖されている体長2メートルほどの大きな食用鳥だ。元来、カーゴは2000年前にあった氷河期でのみ生息したと言われていた古代鳥であるが、氷魔道(グラキエース)を得意とするフォルスタント王国の魔道者たちがカーゴの生育可能な領域を生成することに成功し、またフォルスタント王国とマクレハン王国に接するサルザラク王国による生命魔道(ウィータ)により、唯一洞窟に残されていたカーゴのミイラの細胞から新しい個体を生み出すことに成功した。マルティネス王国繁栄の9年間がマルティネスの奇跡とまで呼ばれるようになったのは、こうした7大国の持つ魔道技術が様々な形で応用と共鳴を繰り返し文明の発展をいっきに推し進めてきたことも理由にある。
「さっき伝報が届いたわ。サルザラク王国との交渉が長引いてるみたいなの」
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